「たっくん聞いてる?赤ちゃんが、」
「聞いてるからちょっと待って…動悸が…」
「???」
はい、もう参りました。
どれだけ朱里をドキドキさせたって、いつもこうやって倍になって返ってくるんだから敵わない。
ちょっとしたことで恥ずかしそうにする朱里に萌え、大胆なことを堂々と言っちゃう朱里に萌え…
結論、朱里なら何したって萌えるってこと。
まぁ俺ももう大人だし…ここは余裕な態度見せとかないと。平常心、平常心。
「実は、俺ももう一人欲しいって最近思ってたとこ。できれば朱里そっくりな女の子がいいな。俺、絶対溺愛しちゃう」
「それは…ちょっと嫌かも」
「え?なんで?」
その問いに朱里は恥ずかしそうに顔を赤らめると、俺にピタッと寄り添ってくる。それも、プクッと可愛く頬を膨らませながら。
「たっくんが娘に夢中になっちゃったら私ヤキモチ妬いちゃう。娘が可愛くて私に構ってくれなくなっちゃうかもしれないし…」
拗ねてる…
大人の余裕って、なんだっけ…
もういいや。
やられたらやり返さないとね。