「たっくんも一緒にイチゴ食べよ?」

「うん、じゃあ食べようかな」

「あ、そういえばミルク買うの忘れちゃった…そのままでもいい?」

「うん、大丈…」



いや待てよ、これは使える。かなり大チャンス。

せっかく二人きりで過ごせる貴重な時間…歩夢の前ではできないようなことをやらないともったいない!



「えー…ミルクないの?甘いのが食べたかったのに」

「え?ごめんね…」

「んー…ま、ないなら仕方ないか。じゃ、ミルクの代わりに朱里が甘くしてよ」

「ど、どうやって…?」

「ん?こうやって」



題して“朱里の口にイチゴを少し押し込んでそれを食べちゃおう作戦”を思いついたわけだけど、この作戦は我ながらいい考えだったかも。

だって、イチゴを押し込んだ時点で朱里は真っ赤っかだし、

俺が躊躇なく朱里の口からイチゴを食べれば、その顔はイチゴより何倍も赤くなったし。



「うん、これならミルクなくても甘いね」

「た、たっくんがミルクより甘くてドキドキしちゃった…」



ね?作戦大成功。