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「ねぇ、起きて!起きてってば〜」
「んー…?」
休日の朝。いや、というより…明け方。
寝室に響き渡る天使のようなその声に、うっすらと目を開ける。
目に飛び込んできたのは、隣に寝転がりながら私に可愛い笑顔を向ける男の子。
「ママ!おはよう!」
「あっく~ん…まだ5時だよ…」
「また寝ちゃうのぉ…?」
残念そうに言うから、まだ重たい瞼を閉じてしまわぬように必死に頑張ってみる。
まるで天使のようなこの子はどうして朝からこんなにニコニコ微笑むことができるのだろうか。
ああ、たっくんに似たのかな。
ほら、眠たげな私を頬杖つきながら見ちゃうところだってたっくんにそっくり。
「ママ眠たいの?可愛いね、大好き!」
なかなか起きることができないダメなママなのに、こんなに可愛いことを言いながらギューッと抱きついてくるこの子は私の大切な大切な宝物。
この子の名前は芹沢 歩夢(せりざわ あゆむ)。
私とたっくんの間に生まれた、愛する息子。