「ママ~今日のご飯はなぁに?」

「何にしよう?家にある材料で作れそうなもの…」



この時間から買い物に行くのは面倒に思えて冷蔵庫の中を探りながら、夕飯のメニューを考えてみる。

その間だって、ユメちゃんはあっくんに夢中。




「歩夢は何が食べたい?今日は私も一緒に食べるんだよ~」

「グラタン!絶対グラタン!ユメちゃんと一緒にグラタン食べる!」




やっぱりね。絶対そう言うと思ったよ。

だって、グラタンはあっくんの大好物だもん。




「グラタンかぁ…朱里、材料ありそう?」

「うん、バッチリあるよ。じゃあグラタンにしよっか」

「やったぁ。グーラータン!グーラータン!グーラー…」




ピンポーン───




可愛いグラタンコールにほっこりしてユメちゃんと笑い合っていると、聞こえてきたインターホンの音。

モニターに映った人物を見たあっくんは、大興奮の様子で玄関へと駆けて行く。

そして玄関のドアを開けるなり、その人物に勢いよく飛び付いた。