それから他愛もないことを話してる内に時間はあっという間に過ぎていき、気付けばいつのまにか夕方になっていて。
楽しい時間というのは、すぐ過ぎていくものだと実感した。
そろそろ帰ろうかな、とユメちゃんが腰を上げた瞬間に鳴り響いたのは、ユメちゃんの携帯だった。
「あ、ヨッシーからメールだ。今日上司と飲みに行くことになったからご飯いらないってさ。ラッキー」
「じゃあうちで食べてかない?たっくんも今日ご飯食べて帰るんだって」
「いいの?じゃあそうしよっと。でも拓海くんが真っ直ぐ帰ってこないなんて珍しいじゃん」
「うん、最近多いの。矢吹先輩の家に呼ばれてるみたいなんだけどね」
「マジ?ヤバくない?先輩の奥さんって拓海くんの元カノでしょ?」
「大丈夫だよ。小春さんすっごくいい人で、そのことも笑い飛ばしちゃうような人なんだ」