「今日は親子丼?美味しそう」
「わっ!」
「ん?」
気分の悪さを感じつつ夕飯の支度をしながらそんなことを考えてたとき、突然後ろから抱きしめられたことに驚いてしまって思わず変な声が出た。
「あ、あっくんは…?」
「アニメに夢中になってるよ。だから今日は俺がくっつきに来た」
「そうなんだ…」
たっくんは昔からいつでもどこでも私にくっついてくるけど、料理中は大体いつもあっくんがまとわりついてるから…
だから、あっくんが好きなアニメに没頭してる日はチャンスと言わんばかりにこうやってくっついてくるんだ。
「今日は料理してる朱里を独り占めできる日だね。嬉しい」
「あ、あんまりくっついたら料理できないよ…」
後ろから包み込むみたいに優しく抱きしめられると、擽ったくて何だか恥ずかしい。
それに、何より…