「あーあ。まーた拓海くんの過保護が増しちゃうな」
「え?」
「まさか忘れたわけじゃないよね?朱里が歩夢を妊娠してた時の拓海くんのことを」
「…あ!」
その言葉で一気に蘇ってきた記憶。
咄嗟に口元に手を当てると、ユメちゃんはやれやれ…と首を横に振った。
そ、そうだった。
私があっくんを妊娠してた時、たっくんてば過保護と心配症が悪化しちゃって…
外出先で段差があろうものなら、つまずかないように私を抱き抱えるようにして段差を登ったり。
またまた外出先でお腹が少しでも張ろうものなら、人目も気にせずお姫様抱っこしてタクシーに乗り込み、
帰宅後は至れり尽くせり状態で全ての家事をしてくれて、お腹の張りが治まるまでずっとそばにいて摩り続けてくれた。
そんな感じで妊娠中はいつもの何倍も甘やかされて、すごく嬉しかったんだけど…
今回はあっくんもいるし、ずっとゆっくりってわけには…いかない、よね。