「あ、これ?可愛いよね。ユメっちペーさん大好きだもんね」

「いやいや…可愛いけども。何を思ってそれを買ったのかお聞かせ願いたい」

「んー……ネットで見つけて特に何も考えずに買った。でもこれリバッシブルなんだよ。すごいよね」

「…」


リバッシブルってなんだよ、リバーシブルだろ。とは面倒だから言わない。天然の言い間違いをいちいち指摘してたらキリがないから。



「これね、レディースとベビーのサイズもあったからユメっちとピッピのも買っといたよ」

「マジ?おそろのパジャマとか素敵ファミリーっぽくていいじゃーん」

「でしょ?これ見つけた時、一番にユメっちの喜ぶ顔が浮かんでさ。衝動買いしちゃった」

「へ、へぇー…」



ああ、アホのくせにキュンとさせやがる。

髪の毛ビッシャビシャのまま着てるものだから、せっかくのペーさんパジャマ濡れてるけど…

それすら愛おしく思えるから不思議だ。



「もー、髪ちゃんと乾かせっていつも言ってんじゃん!」

「いいよ、放っとけば勝手に乾くし」

「…ったく、一家の大黒柱が風邪でも引いたらどーすんだ。乾かしてあげるからソファーに座って」

「優しいなぁ、ユメっちは」

「またそれかっ」



そういえば、朱里のとこは拓海くんが朱里の髪を乾かしてあげてるって言ってたな。

拓海くんも毎日こんな思いしてんのかぁ…大変だ。

天然は厄介すぎるという件について、今度語り合うとしよう。きっと分かり合えるぞ。