動物園からの帰り道、ハシャぎ疲れて眠る歩夢を片手で抱っこして。

もう片方の手は、しっかり朱里と繋いでる。

ああ…愛する二人と同時に触れ合えるなんて幸せ。




「たっくん片手で抱っこ大変でしょ?手…離そ?」

「平気だよ。歩夢はまだまだ軽いから片手で充分」

「本当?私なんて最近両手でもフラフラしちゃうの。あっくん大きくなったよね」

「そうだね。朱里のおかげで歩夢はいい子に育ってる。いつもありがとう」





容姿は俺に似ているけど、歩夢の中身は朱里にそっくり。

とにかく素直、とにかく天使。

周りを元気にさせるオーラも朱里と同じだし、

ふんわりとした雰囲気も同じ。

朱里と歩夢が今の俺の全て。




「こちらこそありがとう。たっくんがいつもそう言ってくれるから育児頑張れるんだよ」




歩夢が生まれてから、“好き”や“愛してる”と同じくらい“ありがとう”が増えた。

それは一緒に育児をする中で共に悩み、乗り越え、分かち合ってきたから。

だから毎日でも伝えたいんだよ。





「朱里、いつも幸せをありがとう。愛してる」




歩夢を起こさないように小さな声で伝えると朱里は頬を赤らめる。

何年経っても可愛い可愛い俺の奥さん。

そんなキミに…俺は何度でも恋をする。



◇◆◇◆◇◆