「もぉ、ほんとにどうしたの?」
目を合わせようとして除きこむと煉は驚いた顔をして
「っ……なにそれ」
と、冷たく細い指が首筋に触れる。
「え、あっ……ばれちゃった?キスマーク恥ずかしいな~」
「紅い…………さっき会ったの?」
と、スルーされる。
「え、なんでわかるの?う、うん…そうだよ、帰り送ってくれの。ふふ、優しいよね逆方向なのに、また明日ねって言った後に首筋にー「うるさい」
「キ…………え?」
煉怒ってる?
「うるさいっていってるんだけど、まだ話すの?」
「ご、ごめん」
気まずくて席を立とうとすると手首を捕まれて逃げれない。
ど、どうして?
「わかってないね、あんたバカだから。俺が何に怒ってるのか」
「…………えっと、ごめんね。わからなくて姉失格だよね」
と、苦笑いする。
「いいよ、姉とかどうでもいいし、…………やっぱりやめる話したってあんたには……」
握られた手首が痛い。
「そっそんなことない!いつも煉にはお世話になってるんだもん恋愛?彼女?好きな人?」
煉はまた呆れた顔をすると
「ほんとに分かんないんだ。あんたのことが羨ましくて怒ってるんじゃないから。あんたに怒ってるんだけど」
と、言って煉の顔が近づいてきて唇が重なった。
「え?」
あまりにも唐突すぎて言葉がでない。
「……聞きたくもない恋愛相談されて
『好きな人がいる協力して』
『彼氏ができた』
『彼氏とデートに行くからシミュレーションさせて』
『彼氏が来たからじゃあね』
『彼氏が浮気してるとこ見てしまった、好きだったのに……裏切られた』
『慰めて』
『あんな人どうでもよかったんだ、運命の人がいるから』
『最愛の人ができたの』
『大切にするって言われたの』って……
いつでも構わず大騒ぎして、かと思えば嬉しそうに語ってのろけたり、
好きな人?彼氏?別れた?最愛?こんなこと言われて俺がどんな気持ちでいたか知らないくせに。それともわざと怒らせる?あんた人を怒らせるの得意だもんな?」
「え?そんなつもりじゃあなかっ…え?」
煉に押し倒されて顔が近くなる。
どんなに抵抗してもびくともしない……
「俺だって男だからねあんたのこと簡単に押し倒せるんだよ」
いつのまにか両腕を彼の片手だけで押さえつけられた。