杏奈の家に着くと、すぐに部屋に連れて行かれる。
「どうしよっかな〜」
雑誌を広げて楽しそうにしてる杏奈を横目にメイクを始める。
「え、もう始めてるの?なんだ、結構ノリ気なんじゃん!」
「もううるさいなぁ。」
杏奈は大学一年生で、私は高校二年生。杏奈とは親同士が仲良いおかげで友達になった。子供っぽくて明るくて可愛らしい杏奈と、素直じゃなくて少し冷めてる私は本当に対照的で、時々実は私の方が年上だったりして…なんて思うときもあるくらい。
「今日の合コンも、みか以外みんな大学生なんだけど本当に大丈夫?」
「毎回の事じゃん。もう気になんないよ。」
メイクを済ませて髪をストレートにしながら答える。
本当は怖いし緊張してる。周りはみんな大学二年生で、もうすぐ成人する人達ばかり。私なんてまだ高校二年生で世間一般では 子供 って言われてる歳なのに。身長は153㎝と小柄で運動も勉強もできなくておまけに人付き合いは上手くない。不器用で素直じゃなくて、本当に子供みたいな私に合コンが向いてないことは私自身が1番よく分かってるけど、杏奈に初めて誘われた時からずっと行っているし、今更断れない。
「良かった、ほんと毎回ごめんね」
眉を下げてこちらを見る杏奈に、
「大丈夫だから。」
と自分に言い聞かせるように言い、アイロンを片付ける。杏奈も準備が出来たみたいで、2人で家を出た。