今、私は灼熱の太陽の中、また外に出ている。手にはお財布とエコバッグ。
「ごめん!キーマカレーのお肉忘れちゃった!」
キーマカレーにひき肉がなかったらただのカレーになっちゃうのではないでしょうか。
そんなお母さんが買い物から戻って来た時はもう悠李はいなくて、ショックでいっぱいのお母さんはもう外に出たくないらしい。
もう人間が生きていい温度じゃないよこれ。
毎日最高気温更新しやがって、沖縄よりも南国に近づいている。
さっきこの道を通ったときはうまくいくかと思ったのに。
もう、今日しかないと思った。
お兄ちゃんをダシにするのは悔しかったけど、ダシにするのはもうお兄ちゃんしかない。あのタイミングで悠李がいるのも知ってた。
まあ、あの場で結城に会ったのは想定外だけど。