「あ、おはよう」
目を閉じながら仏のようにしてたけど、ここからが勝負。
この中で一番落ち着いている悠李がやってきた女子に声をかける。
「おはよう悠李。今日で最後だよねー」
やっぱりリアルな幼なじみコンビは安定だ。それだけでこの班の微妙な空気が救われる感じするよ。
「おおおおおおおっ、どうしよう、どうしよう!ど、どうすればいいかなあ結城くん!!」
お、俺!?俺はないだろお前、空気読んでくれ!
「ねえ、どうしよう。いざ、顔合わせたら緊張する!」
そう言って愛華も美織にすり寄る。
なんだこれ、カオス。
てか愛華ってあんなにデレというか美織と仲良くなるタイプだったか?
「ほらほら、彼氏のもとへ行ってきなよ」
美織が愛華をひっぺはがす―――優しく押し出すと二人が顔を合わせて真っ赤になっている。
無理、死にたい。
この中で俺、一日持たないよ。
ぎゅっと目を閉じる。これが精いっぱいの現実逃避。