「でも何で三人がシンデレラ城に?はっ、まさか………」
もしかして悠李くんと小雪ちゃんそういう感じ?
きらきらした妄想は小雪ちゃんにバレたみたいで、壮大なため息をついた。
「私は彼氏とシンデレラ城に行きたいとかいう乙女思考じゃないので。それ以前に付き合ってもない。ただ三人で思い出の写真でも撮ろうかって話になっただけ。それのどこが悪い」
じぃっと細い目で私を軽蔑と苛立ちの間で見てくるけどさ、どこか照れ隠しのような感情もほのかに感じる。
それは言わないであげとこう。二人の将来のために。
蓮や私に無駄なちょっかいかけまくったんだから今度は私がちょっかいかけてやろうかな。
「それなら5人で写真撮らない?せっかくだし」
美織ちゃん、その提案謎すぎん?そのせっかくって何よ。
ほらほらって流されるまま、美織ちゃんは私を蓮の隣に並ばせて、悠李くんの長い腕で写真を撮る。さすが歩くセルカ棒って名前がつけられるほど。
一発で写真撮り終わって、写真送るからという体で悠李くんとも連絡先を交換した。じゃあ私もってことで美織ちゃんと小雪ちゃんとも。
一気に増えた連絡先が謎メンすぎる。今までじゃ絶対に関わらなかった人種の方々。
「ああっ、せっかくならぁ、そこも二人で撮りなよ~」
小雪ちゃん、それはわざとらしくないですか。
いいじゃん、もうみんなで撮ったんだし。
「いいね!」
おい、そこ盛り上がるな。悠李くんもカメラ構えるな。
「将来この写真見たらあの時こうだったねって一生の思い出になるよ」
蓮がにこっと笑う。
今までみたいな気持ち悪いぐへってした感じじゃなくて、にやけていない。
きゅんってなんだ、きゅんって。
「はーい、引きで撮るからねー。そこもっとくっついて。カレカノでしょ」
にやにやが抑えきれていない両サイドの女子はどうでもいいや。
もうどうとでもなれ。