はっと顔を上げると目の前にはおっきな綺麗なお城。
ずっと蓮の顔見てたから気づかなかった。
細かいところまで、窓のところまで装飾あってあの頃憧れたままの姿。
「夢、叶った?」
「か、叶ったよ…」
やばい、泣けてくる。
やっと夢だった彼氏できたんだって思ったら、ぶわって感情溢れてきて。
「嬉しい…ありがと…」
小さい頃、両親に連れてきてもらったディズニーで楽しそうにしてるカレカノに憧れたのはそこに大好きだって気持ちがあったから。
気持ちが通じてるってすごいことだと思うんだ。
「めっちゃ泣いてるじゃん」
そう言ってぎゅって抱きしめてくれる。
手を回した背中が大きくてそこにもまたきゅんて来る。
「愛華ちゃんって意外と泣き虫だよね」
「たまたま泣いてるときに蓮がいるだけなんだってば」
部活関係で悩んでたときも隠れてたつもりなのにいるし。
てか基本、弱ってるときになぜか後ろにいるんだよね。
慰めるとか話聞くとかじゃなくて、ただそばにいてくれる。
いや、事情はどうせ知ってるでしょ。
そういうところかもね。