「僕はさ、愛華ちゃんの人間関係を壊してまで彼氏になっても嬉しくないよ」


一番大事なのは彼氏。

彼氏ができたらそっちの約束を優先させないといけないし、友達側もそれを許さないといけない。


私たちのグループではそうだった。



だけど、蓮は違うって言うんだね。


そう言ってくれるのは嬉しい。


「そういうのも含めて覚悟決めて告白に来たんだよ」



蓮と付き合うって決めたらあの子たちとこのままの関係ではいられない。



ずっと悪口言ってた蓮を選んだんだよ。



あの子たちが私を認めるはずがない。

それは周りも同じ。



全部が全部うまくいくわけじゃないの。



「大丈夫。壊しても新しく作り変えるから」



今まで私が大事にしてきた見栄とかそういうのは捨てて、今度は自分のままでいられる場所に行く。



大事なもの、取りこぼさないように。



「うーん、だけどさ、これだけは言わせてよね」



本気でこれだけは言わせて。