「……いいの?」


「何が?」

蓮が心配そうに私を見上げる。



「僕と付き合ってるっていうの、秘密にした方がよかったんじゃ……」



本当に蓮って私のこと分かりきってるよね。


自分の体裁を守るのに精一杯で、嘘つくことも余裕でやっちゃうような性格。



友達の前だと見栄張りたくて上の人間になろうと必要以上に偽ってた。



「今は蓮の方が大事だから」



さすがに自分の彼氏の悪口言う友達を庇うことはできないよ。



悪いのは私。


グループを裏切った私が自分から離れるべき。



「そ、そんなぁ。照れちゃうなぁ」


いや、もうこういうとこも慣れないといけないのか。



全力で他人のフリをしたくなる。


どんな反応すれば良いんだ私は。


半笑いで乗り切れるほど引きがバレてはいけない。それをやっていいのはセールスマンだけ。



「ううん。そうじゃない。僕が照れてる場合じゃないよ今は」


どうした。急にしゃきっとして。