「……愛華!?」


蓮じゃない声に呼ばれてはっと顔を上げるとそこには私の友達たちが。



どすどすと大股で近づいてばっと私たちを引き離す。




「勝手に愛華に抱きついてんじゃねーよ変態!」


「今までは手こそ出してこなかったから何も言わんかったけどさすがにこれは許せん」


「セクハラじゃん!」




そっか。そうだよね。

その反応が当たり前なんだよ。



私と一緒に蓮のこと見下して、嘲ってた。



「私、蓮のことが好きなんだぁ」



ごめんね。

みんなのこと裏切って。



みんなと同じような私でいられなくて。




「…嘘だよね、嘘って言ってよ」


「こいつに恐喝でもされた!?」




「ううん。私は結城じゃなくて蓮が好きって気づいたの」



「……ま、まぁ愛華がそれでいいと言うなら、ね」

「そうだね、愛華が好きって言うならね」



友達らはそそくさとその場を去って行く。