女子バレー部と男子バレー部は体育館を半分にして練習している。


私はいつも先輩たちに後片付けを押し付けられて最後まで居残っていた。


「いつも最後まで片付けしてて偉いなって思ってた」


結城とちゃんと会話したのはそれが初めてだった。


クラスが一緒なんだけどあんまりいいイメージはなくて、本能が否定するといいますか、関わってはいけない人種だと思ってた。


「よく見てたね。何で?」

すると結城は顔を真っ赤にしてその場を後にした。


私は鈍くない。


なんで話しかけてきたのか分かったよ。


恋愛において都合の悪いことが分かっちゃう性格なのよね。