いや、もう思考回路がね、緊張とか不安とかで封鎖されてるのよ。
お菓子が積んであるところにぶつかってしまって、お金を落としてしまって、修旅のしおりどこだっけと思ってカバンの中を探し回って悠李くんも周辺とか探してくれたけれど結局はポケットの中にあったんだ。
それくらい緊張してるんだって!
「蓮でも緊張するんだな」
遠くでパレードの楽しい音が聞こえてくる中で悠李くんはぼそっと呟く。
「蓮の辞書に緊張とかいうワードないかと思ってたんだけど」
「僕でも普通に緊張するよ!」
すでに気持ちがバレバレだってのは知ってるよ。
だから愛華ちゃんたちは僕に冷たいんだから。
だけど今、緊張してるのは…
「悠李くんたちが応援してくれてるからかな」
失敗できないというか。いや、プレッシャーとかではないんだよ?
僕の思いが報われるようにって応援してくれてると期待に応えたいって思うじゃん。
自分の気持ちを伝えきって、ありがとうって伝えたい。
感謝しかないんだよ、みんなには。
こんな僕なんか応援してくれて。
支えてくれる友達がいる僕ってなんて幸せ者なんだろうな!!