「あー……乗せたらすぐ駅についちゃうだろ?」
「……?」
それって、どういう意味……?
「……あっ、てか、乗せたら会話できねーし!……っあ」
まずい!というように、言いなおしたその言葉も。
あたしをチラッと見たあと、焦ったように口に手を当てて罰が悪そうに沈黙する。
───ドキンッ。
だって……。
"乗せたらすぐ駅につく"
"乗せたら会話できない"
それって。
それって。
……あたしともう少し喋ってたいということ……?
都合のいいように解釈すればそうで、ボッ、と全身に火がついたように熱くなる。
「……つーか、俺何言ってんだよ!わーーーーもーーーーー!」
クシャっと無造作に髪に手を突っ込む怜央くん。