「じゃあ……あたしはどうすればいいっ……」
しゃくりあげながら、すがるように彼に問う。
やり直しのこの世界で、未来は変えられる?
「どうしたら……どうしたら怜央くんは死なずに済むのっ……」
どこをどう軌道修正すれば、怜央くんが死なない未来に変わるの。
「君がこの世界で何を間違えたのか、まだ分からない?」
険しく厳しい顔を変えない彼。
あたしが間違えたこと。
ターニングポイントはどこだったんだろう。
思い出したばかりの記憶をもう一度巡らせる。
あたしとつき合ったこと?
ううん。怜央くんが、あたしを本当に好きでいてくれたなら、それは間違っていなかったはず。
じゃあ。
あたしが、怜央くんに別れを告げたこと?
───ズキンッ。
胸に鈍い痛みが落ちた。
まるでそうだと言っているように。