怜央くんを5時間も駅で待たせた挙句、あたしは彼から逃げて。


事故の巻き添えにして……死なせてしまったなんて。



「君の選択は、だたの独りよがりに過ぎなかったってことだ」



怜央くんが、本当に死んでしまったのなら。



「あたしが今ここにいるのは……」



忘れてしまった怜央くんの記憶を取り戻すために、今をやり直しているわけじゃない。



「やっとわかった?」



彼の冷たい瞳が、あたしを射抜く。



あたしは気づいたんだ。


これは、あたしが記憶を取り戻すためのやり直しじゃない。



───"怜央くんをを生かすためのやり直し"なのだ、と。