シュワシュワとグラスの淵からはじけ飛ぶ炭酸は、手にまで飛んでくる。


強炭酸と書かれているだけあって、相当炭酸が強いらしい。



「……っ」



一口飲んで……顔をしかめた。


想像以上に強い炭酸だったから。



「ははは。前もそんな反応してた」



そんなあたしを見て笑う彼だけど、その言葉はあたしの心の中にまた一つ影を落とした。


自分にはわからない自分がいることが、本当に苦しい。


彼は再び優しく微笑むと、ペットボトルに残ったレモンスカッシュをそのまま喉へ流し込んだ。


日に照らされたその横顔はとても綺麗で、まるで映画のワンシーンを見ているよう。


──ドキッ。


思わず胸が反応してしまい、そんな自分が恥ずかしくてあたしは顔を背けた。


やだ。どうしちゃったんだろう。


前もこんなふうに、彼の仕草にドキドキしていたの……?


……あなたとあたしは……どんな恋愛をしていたの……?