「ねぇ、聞いた?今日転校生が来るんだってー!」



隣に居た俺の幼馴染、早田 亜美(ハヤタ アミ)がそんなことを報告しにホームルーム前、わざわざ隣の俺のクラスまで駆け足できた。


「こんな時期に?まだ一学期だぞ?」


「でも、はやっちが言ってたんだもん」


「一体どんなやつだよ」


はやっちとは俺、泉水 亮太(イズミ リョウタ)の兄で本名は隼人(サヤト)。現在俺の担任の先生だ。


「あーでもでも、超絶美人らしいよ!?仲良くならないと!」


「へぇー、性格は」


「はぁ?そこまで知るわけないでしょ」


「だろーな」


顔がいい奴はだいたい性格は最悪だ。と言い放つと『お前が言うのかよ』と前の席の前川 和樹(マエカワ カズキ)がこちらを振り向いて笑った。



「なんの事だ」


「なんの事だってお前、顔が良いからって女の子振りすぎなんだよー!俺にも1人くらい分けろ!!」


拳で頭をグリグリされる。


「なんの事だっ、知らねぇーよ!それに好きでもないやつに告られても普通なら断るだろ!?」


「なんだとー!?3年の間宮(マミヤ)先輩ほどの美人の告白だって断りやがって!贅沢者!!」


「へいへい」


「ちょっとー、そこまで!喧嘩しないのー。
あっ、と...ホームルーム始まっちゃう!教室戻るね!亮太!サボったらダメだからね!!」


そう言って亜美は自身の教室へ戻って行った。


「亜美ちゃん今日も可愛かったなぁァ...つかお前、なんであんな子が幼馴染にいて付き合わないんだよ!」


「は?あいつはそんなんじゃねぇよ...それに」


「それに?」


「あいつ彼氏居るからな」


「っっ!?はぁぁぁあ!?そんなの聞いてねぇぞ!?」


「だろーな、ほら先生入ってきたから席に着けばか」


どうせうるさくなるそうは思ってたから驚くこともなかったけどこのままじゃ前川からの質問攻めが来るに違いないと思った時、丁度よく兄貴が教室へ入ってきたため無理やり前を向かせて座らせる。




さて、転校生。どんなやつなんだろうな