そんな経緯で、僕は学校で目が覚めた。

バサッ!!

「・・・っ!!ここは?!」

あまり理解ができない。なんで、電車で倒れたのにベッドにいるんだ?しかも、知らない人が顔をのぞき込んでいる。美羽が私を運んだ?いやいや、そんなはずない。

「ていうか。君は誰だ?!」

「俺は、高等部2年A組 桜庭 龍希。ここは、駒学の保健室。お前は?」

丁寧に、クラスまで言ってくれた。そこまできいてないが。ここで名乗らないのも失礼に値すると思った。

「僕は、高等部2年A組 春野 優羽。名字で呼んでくれ。あと、助けてくれたのは君か?礼をする。ありがとう。」

「俺は、特に何も。そこのちっさいのが、気づいた。礼なら、そいつに言いな。」

桜庭が、指さした方を見るとそこには心配そうに僕を見つめる美羽がいた。泣いた跡がある。そんなに僕を心配してくれていたのか。

「美羽、ごめん。ありがとう。頼りない姉でごめんな。」

そう言って美羽の頭を撫でた。美羽は、大丈夫と言った顔で僕を見る。よかった、安心した。

その後、僕の倒れたあとの話を聞いた。
美羽が殴られそうになったと聞いて、僕は胸が苦しくなり、同時にもっと強ければと後悔した。