「んん...眩し」


カーテンの隙間から漏れた朝日が当たって目を覚ました。時間は5時。きちんと眠れていないからかやはり頭がいつもよりぼーっとしている。

だが朝練は行きたいため重たい体を動かした。



私の部活では朝練は基本自由とされている。

先輩達は特にあんまり朝練に顔を出す人は少ないが2年生、1年生は意外と朝早くからきていて、みんな努力していた。

私もほかの部員と同様少しでも強くなりたくて毎日朝練は欠かしていない。





スクールバックには昨日持って帰ってきた課題と筆箱、財布などを入れる。

部活用品はエナメルバッグに詰め込む、着替えもきちんと入れて弁当を軽く作って持つとまだ寝ているだろう両親と年の離れた今年6歳になる妹に向けて小さく『行ってきます』と呟いて静かに玄関を閉めた。




「さぁ、今日も頑張ろう」




はっきりと言葉にして空を見上げると雲一つないその空に笑がこぼれる。

そして気を引き締める、これがいつもの私だ。






6時頃、学校につき、職員室へ鍵を取りに行くと体育館を開ける、どうやら今日はまだ私しか来ていないらしい。




部活の服に着替えてボールを倉庫から取り出すと軽くシュート練習を始める。


ダンダン、と心地いいボールの音が鼓膜を揺さぶる。
この音が好きだ。

ドリブルをするとシュート目がけてレイアップ。

すると気持ちよくシュートが入る。



今度はスリーポイントラインにたってシュートを打つ。

シュパッ、と綺麗に決まった。

この音も大好き。




敵を振りほどきゴールに向かう時も、音を鳴らしてシュートが決まる時も、全部全部好きだ。



中学二年生の頃、ベンチに入れるようになって、三年にはスタメンにまでのぼりつめた。

我ながらバスケ馬鹿が過ぎると思う。



暫くすると部員も何人か集まってきて、3対2、3対3などいつものように楽しく朝練をすごした。