「紅葉、私も手伝うからね」


「うん、分かってる、ありがとう…」


紅葉の背中にまわした手を引き寄せ、そのまま紅葉をぎゅっと抱きしめた。


気づけば体育館から戻って30分ほど経っており、生徒はもう殆ど残っていなかった。


自然と帰る雰囲気になり、荷物を持ってそのまま教室を出た。


帰るときの紅葉は少しすっきりしたような顔をして、駅のホームへと入って行った。