でも、一週間経って分かったこともある。
それは、富谷遥樹は私でも分かるほどかなりイケメンだということ。
初めてバスケを見に体育館に来た時、富谷遥樹の顔を見ることはできなかった。
2日目は何故かあからさまにこちらを見ようとせず、初日と同様、顔を見ることはできなかった。
次の日、紅葉に誘われて体育館へ行けば一向に富谷遥樹が来る気配がせず、紅葉の強請りで40分は粘ったものの、それ以降は流石に諦めた。
4日目、前日バスケをしなかったことで、もうやらないと踏んだ女子が多かったからか、見物客もそれほど多くはなかった。
それにもう一つ、おかしかったことは、今までに無いほど富谷遥樹がこちらを見てくるのだ。ちらちらと少し顔を伏せながら。
その顔は、
流石騒がれるほどに顔が整っていて、そういうのに疎い私でさえ、騒がれる理由は分かった。
しかもスポーツ万能と来た(富谷遥樹がバスケをしているところしか知らないが、見たところ足も速いし身のこなしも軽い)。
人気になるのには充分すぎるだろう。
しかし、あの白柏朔とかいう男子もなかなかの顔立ちだったことに気づいた。
紅葉好みの顔だ。
しかも富谷遥樹と仲がいい。
見たところ、富谷遥樹はなぜかわからないが、からかわれているようで、それでも楽しそうにバスケをしていた。