なんとなく、行きたいなって思っただけで、別に蒼井の喜ぶ顔が見たいとか、そういうのじゃなくて……
せっかく教室中が楽しいムードなわけだし、私もバスケ頑張ったから、行ってもいいかなって思っただけ。
「……まあ、いいや!
今日は、莉世と蒼井くんのラブラブショットたくさん見れたし、良しとしよう!!」
「……ら、ラブラブショット?」
その衝撃的なワードに、ピシッと固まる私には気にもせず、ふんふん〜♪と鼻歌を歌いながら教室へと戻る歩優。
えっ……なに、それ?
ラブラブショットって……
何度も言うように、私たち付き合ってないって!!
てか、別にラブラブとかじゃなくて、グラウンドでのことは、蒼井を励ましてあげただけだし、
屋上のだって、蒼井が一方的にグイグイ来ただけで……
必死に歩優の言葉を否定しようとするけれど、ドキドキと胸が高鳴り始める。
「…………」
これ……完全に、私の言い訳になってる?
「おーい、莉世?
髪終わったなら、もう行くよ〜」
「あっ、うん!
今、行く!!」
そう言って廊下を歩く歩優の後を追いかける。
隣を歩く歩優の隣にいても、さっきからずっと鼓動が速い。
なぜか、変にソワソワして、落ち着かない気分だけど、別に、歩優の言う通り……蒼井が関係してるからじゃ、ないよね?