「んー、分かった。
私も行くよ」
「えっ!?
ほんとに!?」
頷くと、歩優は驚いて目をまん丸にしてる。
そんなに、驚くこと?
「ほら、中学の時とかもこういうの、絶対行かなかったから……」
と、歩優は苦笑いで頬を掻く。
「あー、まあね……」
色々あったし、とてもじゃないけど、いつになってもそんな気分にはなれなかったし、私なんかが楽しむ権利はないと思ってたから。
でも最近は、蒼井のおかげで少し、気持ちが楽でいられることが多かったり、前みたいに落ち込んだりすることが少なくなってる気がする。
あの時のことを思い出して苦しくなることも減ってるんだ。
「ってことは、やっぱり?」
「やっぱりって?」
私の顔を見ると、急にハッとしたかと思いきや、またニヤニヤし出す歩優。
今日、何回歩優のニヤニヤした顔、見たかなぁ……
「蒼井くん効果、ってやつ?」
「ち、違うから!!」