とはいえ、じっくり見てみると、蒼井人気の理由が、なんとなく分かってくる。
イケメンがサッカーをしてる姿は、もちろんカッコよくは見えるんだけど……
「蒼井、すごい……」
相手チームを次々とドリブルで交わし、一旦他の人にボールを回したかと思えば、最後は無駄なく華麗なシュート。
バスケみたいに、ボールが、ゴールに吸い込まれていくみたいで。
サッカー部顔負けのその上手さに、思わず口を開けたまま見てしまった。
「やったな蒼井!!」
「さすがだわ!!」
同じクラスの男子たちに、肩を組まれて笑う姿も、妙にキラキラとして見える。
あれは確かに、反則だわ……
その後、休憩に入ったようで飲み物を飲みながら、Tシャツの襟で汗を拭く蒼井。
同い年なのに、チラリと男の人を感じさせるような鋭く、色気のある視線に、周りの女の子もノックアウト。
あの、熱が籠った視線で、私は見つめられたんだよね……
ふと、朝のことが頭をよぎり、顔が熱くなって、蒼井から視線を外そうとした時。
バチッ!!
蒼井とバッチリ目が合ってしまった。