「別に私が行かなくても、他に応援してくれる女の子、たくさんいるでしょ?」
体育館を出て、お茶を飲みつつ2人で廊下を歩く。
突き放すような言い方なのに、歩優は口を緩ませて、よりニヤニヤするだけ。
「そんなこと言って〜
本当は、他の女子たちに応援されてる蒼井くんを見るのが嫌なくせに〜☆」
「はぁ!?
いやいや、ないから!!」
なんで私が、蒼井相手にそんな嫉妬みたいこと……
そんなの、蒼井のことが、す、好きみたいじゃない。
顔がカアッと熱くなって、鼓動が速くなっ……
いや、ないない。
心の中で自分に問いかけて、慌てて首を振る。
私が蒼井を好きなんて、ありえない。
恋愛なんて、好きな人なんて作らないって決めてるんだから、絶対にない。
「それに、莉世が応援しに来てくれたら、蒼井くん。めちゃくちゃ喜ぶと思うけどなー?」