「っと…、大丈夫か?」


さっきの衝撃が忘れられず、足が震えてフラフラしていると、蒼井にグッと引き寄せられた。


腰に回った腕。

ピッタリ寄せられた身体。


さっきのことが頭をよぎって、また全身に熱がぶり返してくる。


「だ、大丈夫だから……」


離れてと、思いを込めて発した声はとても小さくて。


蒼井はクスクス笑って、顔を覗き込んでくる。


「これで俺のこと、意識せずにはいられないでしょ?」


「なっ……!?」


「莉世を振り向かせるためならどんなことだってするつもりだけど……その前に、莉世の方がギブになるかもね?」


なんて言って、ニヤッと笑う。