蒼井に告白されたあの日。

一瞬だけ触れられたこの場所は……


「今……俺に告白された日のこと、思い出してる?」


「っ!!」


どうしてそう、人の考えてることが分かっちゃうんだろう、蒼井は……


「あー、もう……どうしてそんなに可愛いわけ?ほんと、無理。煽ったのは莉世だから」


「え、えっ……!?」


煽る!?

どういうこと!?


意味が分からず慌てる私の頬を、蒼井はスルッと撫でると、愛おしいと言わんばかりの目で見てくる。


「あの時は、ほんの一瞬だったけど……」



ドクン─────。



空気が変わったように、まっすぐな視線で唇を見据えられて、鼓動がたちまち速くなる。


「今度はもっと、莉世が欲しい」


「あ、あおっ……」



慌てる私を他所に、蒼井はふっと笑って、ゆっくりゆっくり顔を近づけてくる。


距離が近づく度に、伏せられたまつげは影を落としていって。


「もう、止めらんないから」


「っ……」



ふれるまで、あと数センチ─────。


唇に、蒼井の吐息がかかる。


もう、ダメ……っ


そう、思った時。