「莉世……」


何度も何度も私の名前を呼びながら、おでこに、目元に、頬に何度も口づけが落とされる。


「ひゃっ……」


「あ、ここ……、弱い?」


「ち、ちがっ……」


耳元にキスが落とされた瞬間。

なんとも言えないくすぐったさが全身を駆け巡って。


思わず、声を出さずにはいられなかった。


は、恥ずかしいっ……!!


自分が自分じゃないみたいな声に恥ずかしくて、必死に身をよじるけれど、蒼井はクスクス笑って私の髪をすくだけ。


それはもう、嬉しそうに、楽しそうに。

獲物を見つけた、肉食動物のように。


私を包む甘い香りは、人を振り向かせる、危険な香り。


人を誘惑する、蜜の香り。


「また、莉世の秘密知っちゃったね?」


ニッと笑った蒼井とは反対に、私の顔は真っ青。


「いいこと、知っちゃった」


語尾に♪がつくくらいの声で囁かれた後は、もうそこを重点的に責められるだけ。


「こうしたら、どうなる?」


「んっ……!!」


ふっと息をふきかけられれば、反応したくなくても、どうしてもビクッとなってしまう。