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「もしかして、今の…今までのは全部、演技だったの?」


私に跨り、顔の横に両手をついた蒼井に、心臓がバクバク言ってるのがバレないように、必死に無表情を取り繕う。


「んー、最初の方はほんとだったけど、途中からは演技」


だなんて、あっけらかんとして言うもんだから、蒼井という男がどんな人物だったのかを改めて考えさせられる。


ぜんぶ、蒼井のシナリオ通りってわけ、ね……


さすが、プレイボーイ……

やりおる。


「普段照れて素直じゃない莉世が、俺に触れてくれたのは、めちゃくちゃ嬉しかったなぁ」


この手で。


と、私の片手を握る。


「は、離してよ……」


ぎゅっと握られた手を、わざと私に見せつけるように蒼井の顔の前に持っていかれる。