「べ、別に深い意味はなくて……」
本当に無意識、だったけど……
ただ。
ただなんとなく、そんな表情を私がさせてたんだと思うと、我慢…できなくなっただけ。
私なら、ここにいる。
蒼井の目の前にいる。
だから、そんな切ない顔しないで……
そんな心配そうな声で話さないで。
蒼井は、太陽のように、見てるこっちが元気になるくらいの笑顔で笑ってる姿が、1番似合うんだから。
けどそれを、言葉で伝えるのは恥ずかしかったから、行動で表してみただけ。
キャラ的に、素直に伝えることは難しいから、今はこれがせいいっぱい。
「あー……もう、莉世ってほんっと、ずるいよな」
「え?なにが?」
ただ安心させたくて、そう言ったのに、ますます蒼井はため息をつく。
でもそれは、さっきとは違う、声のトーンが上がっていて。
元気、出たんだなってすぐに分かって。
心の中でホッと安心した。