それから、誰もいない屋上へとやってきた私たち。


「蒼井!いい加減、下ろしてよっ!」


「だーめ。
離さないって、言ってんじゃん」


「もう、いいってば……!」


てっきり下ろしてくれるのかと思えば、その状態のまま、蒼井は座り込んだ。


しかも、膝に座らされてる状態だから、顔は近いし、体はピッタリくっついてるし。


さっきからずっと、鼓動が早い……


「はー、やっと存分に莉世を充電できる……」


「じゅ、充電なんて、大袈裟な……」


私の肩に頭を乗せて、はー……っと、ため息をつく蒼井。


「体調は、もう大丈夫なのか?」


「うん」


「3日間も休んでたから、マジで心配した……」


「うん、もう大丈夫だから」


何かを必死に我慢してたような、抑え込んでいたような雰囲気に、思わず胸がぎゅっと締め付けられて。


「会いたかったよ……
って……、り、莉世?」


「あっ、ご、ごめんっ……」


気づいたら、蒼井の頭を撫でていた。