え、え……!?


「いつ私がそんなこと言ったのよ!?」


「ここじゃ、恥ずかしいってことだよな?
だったら俺と、ふたりっきりになろうか」


「はあ!?
ふたりっきりとかいらないから!!」


話聞きなさいよ!

てか、完全に自分の都合のいいように解釈してるよね!?


勘違い野郎である、蒼井の言葉を必死に否定するけれど、


「!!?」


「きゃぁぁぁぁーー!!!」


待って。

ちょっと、待って?


頭の整理が追いつかない……


「あ、蒼っ………」


「その顔。その照れた表情、ほんと可愛い。
マジで食べたいくらい」


あー、もう……完全にダメだ。



おでこにキスされたことをやっとのことで理解して、思わず手を当てて蒼井を睨む。


ジタバタ抵抗すれば、またからかわれるって分かってるから何もできないし、何も言い返せない。


これじゃ完全に、蒼井の思うツボだ……


「今日はやけに素直だね。
抵抗、しないんだ?」


「っ〜!!!」


ニヤリと笑った蒼井の言葉に、カッと顔全体が熱くなる。


一体、誰のせいだと思ってんのよ!!


私が大人しい理由くらい、蒼井なら絶対理解してるはず。


それを分かっててやってるから、ほんとにムカつく。


抵抗すればからかわれるし、大人しくすれば素直だなんだ言われるし、もうどうしたらいいのよっ……