「でも男の子だもんね。大雑把な人の方が多いよね」

「そうですね。私のクラスの男子なんかも教室でさえ上着をほっぽりだしてたり、机に座ったりと荒いですから」


私の言葉にコクリと頷いて、一種の仕方なさを思い返す。

月乃ちゃんが言うように高校生の頃のクラスメートにもそんな子が多かった。


「それに比べると兄なんかはマシですが、兄の場合高校時代は言葉遣い悪い所が発見されても逆にミーハー女子がキャーキャー……っ、いえ、何でもありません」


雰囲気から察するに、笑い話の一種として得意げに話そうとしていたのが伺えるのだが、何故だか彼女はそこで止めて切り上げてしまう。

私としては知らない話を聞くのは楽しいので聞きたいのだが


「?続けていいよ」

「……いえ、この話は止めましょう、兄の高校時代などミーハー女子の話しかないので。千花さんとしても良い気はしないでしょう」


と、どうやら恋人的な立場に立った時の事を考えてくれたらしい。

そう言われてしまえば、聞いている内にやはり心中複雑にもなってくるものなのかもしれない。と、納得する。


「でも、やっぱり淵くんは高校生の頃からモテてたんだね」

「ミーハー女子の戯れなので、あまり気にする事でもないですが」


何て事を月乃ちゃんは切り捨てるように言う。

ふと彼を見遣ると自分の話だけに居心地が悪いのか、苦笑いを浮かべているだけだった。

それ以上は私も追及する事なく、話の転換を行い昼食を続行したのだった。