「あ~~でもでも、その軽い調子で瀬戸ちゃんにちょっかい出さないでよね~~」

「そこまで節操なしじゃねぇって」


ぎゃははと独特な笑い声を上げて否定をする。


「それにぃ、千花ちゃんには淵がいるし?ちょっかい出したら淵に怒られるって」

「え~~やだ~~私もイケメンから牽制されたーい」


そうして始まる悪乗り。二人して私の方を見てニヤニヤと楽しげにしている。

二対一では対抗するには弱く、私は只々苦笑いを浮かべるに留まってしまう。

そうこうしている間に、何やら連絡先を交換するらしく互いにスマホを取り出していた。


「うんうん。友達また増えた。何かあったらよろしく!佐伯くんっと……電話だ。ちょっとごめんね。もしもし?」


莉子ちゃんは着信を受けて私と佐伯くんから少し離れる。


「暇を持て余してフラフラしてたけど思わぬ収穫だったな~~明日淵に話してやろ」


ワクワクと何かを期待するような表情を浮かべながら、鼻歌なんかを歌っていた。


「仲良しだね、淵くんと」

「や~~、仲良しなのは千花ちゃんと淵だろ?」

「うん?」


今は淵くんと佐伯くんの話をしているのに何故私の話になるのか分からずに首を傾げる。


「彼女が出来てから女の子に対してちゃんと断ってるって聞いたから」

「へ?」