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「ん〜〜!楽しかった〜〜!」
日が暮れた頃に店を出て、莉子ちゃんは大きく伸びをする。
何だかんだ色々な話をして気がつけば晩御飯時にすらなっていた。
とはいえ、変な時間に食べているので、晩御飯を食べるには少々お腹が苦しいだろう。
莉子ちゃんとは晩御飯の約束までしていないので、解散したあと、運動ついでに少し遠回りしつつ帰ろうかな。などと考えていた。
のだが。
「あっれーー?もしかして千花ちゃん?」
ふと声を掛けられて反射的にバッと顔を上げると、見知った顔。2回目にして久しぶりに会う人だ。
「佐伯くん?久しぶりだね」
互いに確認口調になるのは確かに面識があっても、顔を確実に覚えてはいなかったからだろう。
それでも一致する顔と名前にどちらとも否定などしない。
「今日は違う女の子連れてんだな!」
「違う女の子って……」
まるで取っ替え引っ替えしてる男の子に言うような言葉に苦笑いを浮かべてしまう。
そう言えば佐伯くんは女の子好きと言うか博愛主義のような人種だったか。
「ありゃ、何だ何だ?見知らぬ顔だね!初めまして〜〜瀬戸ちゃんの友達の中島莉子です」
テンションだけで言えば莉子ちゃんも似たようなもので物怖じせずに自己紹介すら始める。
佐伯くんも自己紹介して、何故だか意気投合したような雰囲気すら醸し出す。
誰とでも仲良くできる人種同士は通じ合うのだろうか。