前向きに大学を頑張る為の願掛け等と言ったけれど、それは後悔した自分を隠すための偽りだったのだ。

たかだかアクセサリー一つを髪で意図的に隠していたのだってそうだ。

そんな自分が許せなかったのだ、と気づいてしまった。

そんな自分を許せたのは他でもない彼の言葉で。冗談めかして言っていても彼の言葉を私は受け止めて、受け入れて、肯定したい気持に昇華する事がようやく出来たのだ。


「なーーんか、幸せそうな顔してるね~~」

「へっ?そ、そうかな?」


思い起こして気持ちの切り替えが出来た事が嬉しくて頬が緩んでしまったのだろうか。

両手で頬を抑えて心を落ち着かせる。


「いーーなーー」


今日二回目の羨む声があがる。


「そういう莉子ちゃんは……」

「んふふ。私には可愛い可愛い弟と妹達がいるからね~~」

「お姉ちゃんなんだね」

「そう!全部で6人兄妹の長女なんだよ!」


羨みながらも気にしていないと言うように、パッと表情を明るくさせる。

徐にスマホを操作して、画面を私に向ける。

それを覗き込めば今言ったように兄妹との写真だろうか、上は高校生くらいで下は小学生くらいの子たちが写っていた。


「わぁ~~大家族だね」

「そうなんだよ!だから毎日がパーティみたいで楽しいよ~~」


そう言って莉子ちゃんは、兄妹の写真を中心にお父さんお母さんを交えた写真まで見せてくれて、あれこれと話をしたのだった。