そりゃあそうだよね。
初対面の相手に不倫してましたって告白されるなんて思ってなかっただろうし。

沈黙に耐えられなくなって、残りのコーヒーを飲み干してソファから立ち上がった。

「ごちそうさまでした。色々ありがとうございました。これで失礼します」

「何? 急に改まって。全然ゆっくりしていって構わないんだけど」

「いいえこれ以上は」

そう言って、バッグを持って玄関へ向かう。
幸大さんは、ブーツを履くあたしを黙って見ていた。

「じゃあ、お邪魔しました。ホントにありがとうございました」

お礼を言って、玄関のドアノブに手をかけた瞬間、外側からドアが開いた。

そして、あたしの目の前には女の人が立っていた。