グイグイ迫ってくるから、逃げるように一歩ずつ後ろに下がる。


そして、後ろに手をやったら、ひんやりして気づいたら壁際まできていた。



「え、ちょっ……ど、どいてよ」


あたふたするわたしに対して冷静な瞳でこちらを見る。


そして、壁に軽く手をつき、わたしから逃げ場を奪った。


「な、なに?」


近すぎる距離と、いつもと様子が違う榛名くん。


「……今までどこ行ってたの?」

「へ……?あ、勉強教えてもらってて」


わたしがそう言うと、さらに顔を近づけてきて。


「……誰に?」


「だ、誰って……別に榛名くんには関係な……」



「誰って聞いてんじゃん。答えて」

「っ!」


息がかかる、この距離はとても危険だ。

別にわたしが誰とどうしてようと榛名くんには関係ないはずなのに。


「こ、後輩の子……に教えてもらってたの」

「……それってほんとにただの後輩?」


い、いったいなんでそんなこと聞いて……。