とりあえず、早くこの場から去ってもらうために、楓くんの背中を押しながら。
「今日はありがとう!また明日もよろしくね!じゃあまたね!!」
「雛乃センパ……」
これ以上一緒にいたらボロが出そうだから、送ってもらった分際でこんな態度失礼かもしれないけど今は許して楓くん。
ダッシュで家の中に駆け込んだ。
これじゃ、楓くんに同居がバレるのは時間の問題かもしれない。
「はぁ……疲れた」
とりあえず、制服から着替えて、ご飯の準備しないと。
ローファーを脱いで、階段を上がり、自分の部屋の扉のノブに手をかけたとき。
ちょうど、隣の部屋の扉が開いた。
中から榛名くんが出てきて、ジーッとこちらを見ていた。
というか、にらんでる?
「榛名くん?」
わたしが呼びかけても、反応はせず、
ただこちらに少しずつ近づいてくる。