「俺だって男なんですよ」

「う、うん。わかってる……よ?」


あれ、なんでだろう。
楓くんに対して、ドキドキしたことなんて今までなかったのに。


ドクドクと、胸の音がうるさい。


「わかってないから言ってるんですよ」


はぁ、とため息をつきながら、「俺以外の男にそんな無防備な姿見せないでくださいね」と、言われて頭を軽くポンポンされた。



「んじゃ、勉強再開します?」

「あ、うん」


いつもと違う楓くんが少し気になったけど、勉強を教えてもらうのを再開してからはいつも通りに戻っていた。



そして、時間はあっという間に過ぎて、時計は夕方の6時を過ぎていた。



「今日はここまでにしておきますか」

「……つ、疲れた」


「明日もウチ来ますか?」

「も、もちろん!楓くんが迷惑でなければ!」