も、もしかしてくつろぎすぎて怒っちゃった!?

すぐにベッドから飛び起きて、楓くんに近寄る。


「か、楓くん」

「……なんですか?」


こっちを向いてくれないから、たぶん怒ってるのかもしれない。


ちょこっと楓くんの制服の裾を握ると、ゆっくりこちらに振り返った。


「ごめんね。くつろぎすぎたよね」


「……いや、くつろいでもらうのはいいんですけど。ベッドに寝転ぶのはやめてください」


「やっぱり怒ってる?」

「怒ってますよ」


う、うそ!あの優しい楓くんを怒らせてしまったなんて!


「俺のことなんだと思ってるんですか?」

「え?」


裾をつかんでいた手を、スッと握られて、
空いてるほうの手でわたしの頬にそっと手をそえる。


いつもより、楓くんが少しだけ強引だ。