とりあえず、テーブルの近くに腰を下ろして楓くんが来るのを待つ。


ちなみに楓くんのご両親は共働きで、遅い時間にしか帰って来ないので、この時間帯にお邪魔すると、いつも2人っきり。



しばらくして、楓くんがお盆を持って部屋にやって来た。


「待たせちゃいましたね。先輩は紅茶でよかったですか?」

「うん、大丈夫」


「砂糖多めにしときましたよ」

「えへへ、いつもありがとう」


さすが、わたしの後輩だ!
わたしが苦いの苦手だと知ってくれている。


「楓くんは相変わらずブラックコーヒーなんだね」


テーブルにわたしの紅茶と、楓くんのブラックコーヒーと、おまけにクッキーを持ってきてくれた。


「甘いの苦手なんですよ」

「苦手そうな顔してるもん」


「顔って。そんなふうに見えます?」

「うん、見えるよ!」